
オーストラリアの学生ビザ(Student visa / Subclass 500)が許可されると、ビザの許可通知として「Visa Grant Notice Letter(ビザレター)」が発行されます。
オーストラリアのビザは、パスポートにシールやラベルが貼られるのではなく、電子的に管理されます。そのため、ビザが許可された後は、ビザレターやVEVO(Visa Entitlement Verification Online)で、ビザの有効期限や条件を確認することが大切です。
この記事では、オーストラリア学生ビザのビザレターに記載される主な情報と、学生ビザを維持するために確認しておきたい条件について、2026年時点の公式情報をもとに解説します。
- オーストラリア学生ビザのビザレターに記載される主な項目
- ビザの有効期限・入国期限・滞在可能期間の見方
- 学生ビザに付与される代表的な条件
- 就労時間、OSHC、住所通知などの注意点
オーストラリア学生ビザのビザレターとは?
ビザレターとは、オーストラリア移民局(Department of Home Affairs)から発行されるビザ許可通知です。学生ビザが許可されたこと、ビザの種類、ビザ番号、滞在可能期間、入国期限、ビザ条件などが記載されています。
学生ビザが許可されたら、ビザレターをPDFで保存し、渡航前に内容を確認しておきましょう。学校、航空会社、雇用主、保険会社などからビザ情報の確認を求められることがあります。
なお、最新のビザ情報はビザレターだけでなく、VEVOでも確認できます。VEVOでは、現在有効なビザの種類、有効期限、入国期限、滞在可能期間、ビザ条件などを確認できます。
ビザレターに記載される主な情報
オーストラリア学生ビザのビザレターには、以下のような情報が記載されます。実際の表示内容や順番は、ビザの許可時期や申請内容によって異なる場合があります。
| 記載項目 | 内容 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| Application status | 申請結果 | Student visa(subclass 500)がGrantedになっているか確認します。 |
| Visa grant number | ビザ許可番号 | VEVOでビザ情報を確認するときに使用する番号です。 |
| Date of grant | ビザ許可日 | 学生ビザが許可された日です。 |
| Must not arrive after | 入国期限 | この日までにオーストラリアへ入国する必要があります。 |
| Length of stay / Until | 滞在可能期間 | オーストラリアに滞在できる期限です。コース期間やOSHCの加入期間が影響します。 |
| Travel | 出入国の可否 | Multiple entriesと記載されていれば、有効期間中に複数回の出入国が可能です。 |
| Visa summary | ビザの概要 | 氏名、生年月日、ビザの種類、コース区分などが記載されます。 |
| Visa conditions | ビザ条件 | 就労制限、コース要件、健康保険、住所通知などの条件が記載されます。 |
学生ビザの滞在可能期間とOSHCの関係
オーストラリアの学生ビザの滞在可能期間は、受講するコースの期間をもとに決まります。また、OSHC(Overseas Student Health Cover/海外留学生健康保険)の加入期間も、ビザの滞在期限に影響します。
一般的には、コース期間が10ヶ月以上でオーストラリアの学年末に終了する場合は翌年3月15日まで、10ヶ月以上で1月から10月に終了する場合はコース終了後2ヶ月程度、10ヶ月未満の場合はコース終了後1ヶ月程度が目安とされています。ただし、実際の期限はビザレターに記載された日付が正式なものです。
OSHCの加入期間が短いと、希望する滞在期間よりもビザの期限が短くなることがあります。ビザ申請前に、コース期間だけでなく、OSHCの終了日も確認しておきましょう。
ビザレターに記載される代表的な学生ビザ条件
学生ビザには、ビザを維持するための条件が付与されます。すべての条件が全員に付与されるわけではなく、年齢、コースの種類、家族の同行有無、研究内容などによって異なります。
以下は、学生ビザ(Subclass 500)で確認されることが多い代表的な条件です。必ずご自身のビザレターまたはVEVOで、実際に付与されている条件を確認してください。
| 条件番号 | 条件名 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 8105 | Work limitation | コース開始前は就労できません。コース期間中は、原則として2週間で48時間までの就労制限があります。 |
| 8202 | Meet course requirements | CRICOS登録コースに在籍し、出席率や学業成績など、学校が定めるコース要件を満たす必要があります。 |
| 8203 | Limited study change | 一部のコース変更に制限がかかる場合があります。コース変更前に学校や移民局の条件を確認しましょう。 |
| 8204 | Study limitations | 研究内容や学習内容に関する制限が付与される場合があります。 |
| 8208 | No study change related to critical technology without approval | 重要技術に関係するコース、研究テーマ、論文テーマなどへ変更する場合、事前承認が必要となる場合があります。 |
| 8303 | Not be disruptive | オーストラリア社会や地域社会に対して迷惑行為・妨害行為を行ってはいけません。 |
| 8501 | Maintain adequate health insurance | オーストラリア滞在中、適切な健康保険を維持する必要があります。学生ビザの場合は通常OSHCが必要です。 |
| 8516 | Continue to satisfy the criteria for the grant of the visa | ビザが許可されたときの条件を継続して満たす必要があります。 |
| 8517 | Maintain education for dependants | 学齢期の扶養家族が同行する場合、その子どもの教育手配を維持する必要があります。 |
| 8532 | Under 18 approve welfare | 18歳未満の学生は、承認された滞在先・保護者・福利厚生手配を維持する必要があります。 |
| 8533 | Inform provider of address | オーストラリア到着後、または住所変更後、原則7日以内に教育機関へ住所を知らせる必要があります。 |
就労条件:2週間で48時間まで
学生ビザの代表的な条件のひとつが、就労時間の制限です。学生ビザ保持者は、コース開始前に働くことはできません。また、コース期間中は原則として2週間で48時間までの就労制限があります。
ここでいう「2週間」は、14日間の期間を指します。シフト制のアルバイトをする場合は、1週間ごとではなく、2週間単位で合計時間を確認することが大切です。
なお、修士課程(研究)や博士課程など、一部のコースでは就労条件の扱いが異なる場合があります。また、家族が同行している場合、家族の就労条件は学生本人と異なることがあります。実際の就労可否は、必ずビザレターまたはVEVOで確認してください。
コース要件:在籍・出席・成績の維持
条件8202は、学生ビザ保持者にとって特に重要な条件です。学生ビザは「オーストラリアで学ぶためのビザ」であるため、対象となるコースに在籍し、学校が定める出席率や学業成績を維持する必要があります。
語学学校、専門学校、大学などでは、出席率や成績が一定基準を下回ると、学校から警告を受けたり、移民局へ報告されたりすることがあります。体調不良や家庭の事情などで欠席が続く場合は、早めに学校へ相談し、必要な書類を提出しましょう。
OSHC:健康保険を切らさないこと
学生ビザでは、オーストラリア滞在中に適切な健康保険を維持する必要があります。一般的に、学生ビザ申請ではOSHC(Overseas Student Health Cover)への加入が必要です。
OSHCは、ビザ申請時だけでなく、オーストラリア滞在中も有効である必要があります。保険の終了日がビザの期限より前になっていないか、途中で保険が切れないかを確認しておきましょう。
住所通知:到着後・転居後は学校へ連絡
条件8533が付与されている場合、オーストラリア到着後に居住先住所を教育機関へ知らせる必要があります。また、オーストラリア滞在中に住所を変更した場合も、原則として7日以内に教育機関へ新しい住所を通知する必要があります。
学生ビザでは、移民局からの連絡が学校経由で行われることがあります。住所や連絡先を更新していないと、重要な通知を受け取れない可能性があります。引っ越しをしたら、まず学校の学生サポート窓口や学生ポータルで住所変更の手続きをしましょう。
18歳未満の学生は滞在先・ガーディアン条件に注意
18歳未満でオーストラリアへ留学する場合は、保護者、ガーディアン、学校が承認した滞在先など、適切な福利厚生手配が必要です。ビザレターに条件8532が記載されている場合、承認された手配を維持する必要があります。
学校が発行するCAAW(Confirmation of Appropriate Accommodation and Welfare)がある場合、原則としてその開始日より前にオーストラリアへ入国することはできません。未成年の留学では、航空券の手配前に、ビザレターとCAAWの日付を必ず確認しましょう。
ビザレターのサンプル
以下は、オーストラリア学生ビザのビザレターのサンプルです。実際のビザレターには個人情報が記載されるため、取り扱いには注意してください。
画像をクリックすると、ビザレターのサンプルPDFを確認できます。
※このサンプルPDFは、2022年7月時点のオーストラリア学生ビザのビザレターのサンプルです。このサンプルPDFには「2週間で40時間まで」と記載されていますが、2023年7月1日以降は48時間ルールが適用されています。最新のビザ条件は、必ずご自身のビザレターまたはVEVOで確認してください。
ビザレターを確認するときのチェックリスト
学生ビザが許可されたら、以下の項目を確認しておきましょう。
- 氏名・生年月日・パスポート情報に誤りがないか
- ビザの種類がStudent visa(subclass 500)になっているか
- 入国期限(Must not arrive after)を過ぎていないか
- 滞在可能期限が希望する滞在期間をカバーしているか
- TravelがMultiple entriesになっているか
- 付与されているビザ条件を確認したか
- OSHCの加入期間が不足していないか
- 18歳未満の場合、滞在先・ガーディアン条件の日付を確認したか
ビザ条件に違反しないための注意点
学生ビザは、許可された後も条件を守る必要があります。特に、就労時間、出席率、成績、OSHC、住所通知、コース変更は見落としやすいポイントです。
以下のような場合は、自己判断で進めず、学校または専門家へ確認しましょう。
- アルバイトの時間が増えそうなとき
- 欠席が続いているとき
- コースを変更・休学・退学したいとき
- OSHCの期限が切れそうなとき
- 引っ越しをしたとき
- パスポートを更新したとき
- 一時帰国や第三国への旅行を予定しているとき
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よくある質問
公式情報の確認先
学生ビザの条件やビザ情報は変更されることがあります。最新情報は、必ずオーストラリア移民局の公式ページで確認してください。
- Department of Home Affairs:Student visa(subclass 500)
- Department of Home Affairs:Check visa details and conditions / VEVO
- Department of Home Affairs:Length of stay for Student visas
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