
アメリカに留学する方が、入国後に必ず確認しておきたい書類のひとつがI-94(Arrival/Departure Record)です。
I-94は、アメリカに入国した外国人の入国記録・出国記録・滞在が認められている期間を示す重要な記録です。F-1学生ビザで入国した場合は、学校のチェックイン、SSN申請、運転免許証の申請、OPTやCPTなどの手続きで確認を求められることがあります。
この記事では、2026年6月時点の公式情報をもとに、I-94の意味、取得方法、学生ビザで確認すべきポイント、間違いがある場合の対応方法をわかりやすく解説します。
- I-94とは何か、ビザやI-20との違い
- アメリカ入国後にI-94を確認・印刷する方法
- F-1学生ビザで確認すべき「D/S」と滞在期限
- I-94が見つからない場合や内容に誤りがある場合の対応
I-94とは?アメリカの入国・出国記録
I-94とは、アメリカ税関・国境取締局(CBP:U.S. Customs and Border Protection)が発行する入国・出国記録です。正式には「Arrival/Departure Record」と呼ばれ、アメリカに入国した日、入国時のステータス、滞在が認められている期限などが記録されます。
現在は電子化されているため、空路・海路でアメリカに入国する場合、通常は紙のI-94を受け取るのではなく、CBPのシステム上に電子記録として作成されます。入国後、旅行者本人が公式I-94サイトで確認・印刷できます。
ビザ・I-20・I-94の違い
アメリカ留学では、ビザ、I-20、I-94という似たような書類が出てきますが、それぞれ役割が異なります。
| 書類・記録 | 発行元 | 主な役割 | 確認するポイント |
|---|---|---|---|
| ビザ | 米国大使館・領事館 | アメリカの入国地まで渡航し、入国審査を受けるためのもの | ビザの種類、有効期限、入国回数 |
| I-20 | SEVP認定校 | 学生としてのプログラム内容・期間を示す書類 | 氏名、SEVIS ID、学校名、プログラム開始日・終了日 |
| I-94 | CBP | 実際にアメリカへ入国した記録と、滞在が認められている期間を示す記録 | 入国日、Class of Admission、Admit Until Date |
特に大切なのは、ビザの有効期限と、アメリカに滞在できる期限は同じではないという点です。ビザは入国審査を受けるための渡航書類であり、アメリカ滞在中のステータスや滞在期限はI-94で確認します。
アメリカで語学学校、大学、大学院、高校、専門学校などに通う場合、留学期間や受講内容によっては学生ビザの申請が必要です。アメリカの学生ビザは、主に学術系プログラム向けのF-1ビザと、職業訓練・専門分野向けのM-1ビザに分かれま[…]
アメリカ留学生はI-94をいつ確認する?
F-1学生ビザでアメリカに入国したら、できるだけ早めにI-94を確認しましょう。目安としては、入国当日から数日以内に確認しておくと安心です。
特に、以下のタイミングではI-94が必要になることがあります。
- 学校到着後のチェックイン手続き
- SSN(ソーシャル・セキュリティ・ナンバー)の申請
- 州の運転免許証やIDカードの申請
- CPT・OPTなど就労許可に関する手続き
- 一時帰国や海外旅行後の再入国確認
- ビザステータスの確認が必要なとき
I-94の情報に誤りがあると、学校や行政機関での手続きに影響することがあります。入国後は「あとで確認しよう」と後回しにせず、早めに内容を確認しておきましょう。
I-94の取得・確認方法
I-94は、CBPの公式I-94サイトから確認できます。取得には、パスポート情報や生年月日などが必要です。
- CBPの公式I-94サイトにアクセスする
CBP公式I-94サイト - 「Get Most Recent I-94」を選択する
- 氏名、生年月日、パスポート番号、国籍などを入力する
- 表示されたI-94の内容を確認する
- PDFで保存、または印刷して保管する
学校のチェックインや各種申請で提出を求められることがあるため、I-94はスマートフォンに保存するだけでなく、PDF保存や印刷もしておくと安心です。
I-94で必ず確認したい項目
I-94が表示されたら、以下の項目を確認しましょう。
| 確認項目 | 確認内容 | 学生ビザでの注意点 |
|---|---|---|
| Name | 氏名 | パスポートと同じ表記になっているか確認します。 |
| Passport Number | パスポート番号 | 番号の入力ミスや旧パスポート番号になっていないか確認します。 |
| Most Recent Date of Entry | 直近の入国日 | 今回のアメリカ入国日と合っているか確認します。 |
| Class of Admission | 入国時のステータス | F-1学生ビザの場合は、通常「F1」と表示されます。F-2家族は「F2」、M-1は「M1」などです。 |
| Admit Until Date | 滞在が認められている期限 | F-1の場合、現行制度では「D/S」と表示されるのが一般的です。 |
特に重要なのは、Class of AdmissionとAdmit Until Dateです。F-1学生ビザで入国したのにClass of Admissionが別のステータスになっている場合や、Admit Until Dateに不自然な日付が入っている場合は、早めに学校のDSOまたはCBPに確認しましょう。
F-1学生ビザの「D/S」とは?
F-1学生ビザでアメリカに入国した場合、I-94の「Admit Until Date」には、具体的な日付ではなくD/Sと表示されるのが一般的です。
D/SとはDuration of Statusの略で、学生としてのステータスを正しく維持している期間を意味します。つまり、F-1学生の場合は、単にI-20の終了日まで自動的に滞在できるという意味ではなく、以下のような条件を守る必要があります。
- SEVP認定校に在籍している
- フルコース・オブ・スタディなど、F-1の条件を守っている
- I-20のプログラム期間が有効である
- 転校、休学、プログラム延長などを学校のDSOを通じて適切に手続きしている
- 就労する場合は、CPT・OPTなど必要な許可を得ている
F-1学生は、プログラム修了後、原則として60日間の出国準備期間があります。ただし、ステータスを維持できていない場合は、この出国準備期間が認められないことがあります。
現在、F-1などの「Duration of Status」を廃止し、滞在に固定期限を設ける規則がDHSで準備されています。施行前のため本記事は現行ルールに基づく情報ですが、施行された場合、グレースピリオドの短縮(60日→30日)や、OPT申請時のForm I-539提出などが必要になる可能性があります。出願・申請前に、必ず在籍校のDSOとUSCIS・NAFSAの最新情報をご確認ください。
陸路で入国する場合のI-94申請と手数料
カナダやメキシコから陸路でアメリカへ入国する場合、I-94の扱いが空路・海路と異なることがあります。
2026年6月時点では、陸路でI-94が必要な場合、入国地で申請するほか、公式I-94サイトやCBP Linkモバイルアプリを使って、入国前に暫定I-94を申請できる場合があります。事前申請は、原則としてアメリカ入国予定日の7日前から可能です。
また、2025年9月30日以降、I-94の申請手数料は30ドルとなっています。これは主に陸路入国などでI-94を申請する場合の手数料です。空路・海路で通常どおり入国し、入国後に電子I-94を確認・印刷するだけであれば、別途この手数料を支払う流れではありません。
有料の代行サイトや非公式サイトも存在するため、I-94を確認・申請する場合は、必ずCBPの公式サイトまたは公式アプリを利用しましょう。
I-94が見つからない場合の対処法
公式I-94サイトで検索しても「Not Found」と表示される場合があります。すぐに入国記録がないと判断せず、まずは以下を確認してみましょう。
- パスポートと同じ氏名の順番で入力しているか
- ミドルネームやスペースの有無を変えて試したか
- パスポート番号を正しく入力しているか
- 旧パスポートで入国していないか
- 国籍の選択が正しいか
- 入国直後で、まだ情報が反映されていない可能性がないか
何度試しても見つからない場合は、学校のDSOに相談したうえで、最寄りのCBP Deferred Inspection Siteや入国地のCBPオフィスに確認します。入国記録の確認や修正には、パスポート、ビザ、I-20、入国日がわかる航空券・搭乗券などが必要になることがあります。
I-94の内容に間違いがある場合
I-94の内容に誤りがある場合は、早めに対応しましょう。特に、F-1学生ビザで入国した方は、以下のような間違いに注意が必要です。
- Class of Admissionが「F1」ではない
- Admit Until Dateが「D/S」ではなく不自然な日付になっている
- 氏名や生年月日がパスポートと違う
- パスポート番号が間違っている
- 入国日が違っている
CBPが入国時に作成したI-94の誤りは、CBPのDeferred Inspection Siteや入国地のCBPオフィスで修正を依頼するのが一般的です。一方、アメリカ国内でのステータス変更・延長などによりUSCISが発行したI-94に誤りがある場合は、CBPではなくUSCIS側の手続きが必要になることがあります。
いずれの場合も、自己判断で放置せず、学校のDSOや専門家に確認しながら進めることをおすすめします。
出国時のI-94はどうなる?
多くの場合、アメリカ出国は電子的に記録されます。空路で日本に帰国する場合などは、航空会社の搭乗情報などを通じて出国記録が反映されるのが一般的です。
ただし、紙のI-94を受け取っている場合は、出国時に航空会社やCBP担当官へ返却する必要があります。また、空路・海路・陸路で電子I-94を受け取って入国し、その後カナダやメキシコへ陸路で出国する場合、出国記録が正しく反映されないことがあります。
陸路で出国する場合は、念のため以下のような出国を証明できる資料を保管しておくと安心です。
- パスポートの入国・出国スタンプ
- 航空券、バス、鉄道などのチケット
- ホテルや交通機関の領収書
- カナダ・メキシコ側の入国記録
I-94とアメリカ留学でよくある勘違い
ビザの有効期限まで滞在できるわけではない
ビザの有効期限は、アメリカに入国するために使える期間を示すものです。実際にアメリカに滞在できる期間は、I-94の内容と、学生ビザのステータスを維持できているかどうかで判断されます。
I-20が有効でも、ステータス維持が必要
I-20にプログラム終了日が記載されていても、授業登録、出席、成績、転校手続き、就労許可など、F-1の条件を守っていなければステータスを維持しているとはいえません。
一時帰国後はI-94を再確認する
一時帰国や海外旅行からアメリカへ再入国すると、新しいI-94が作成されることがあります。再入国後は、以前保存したI-94ではなく、最新のI-94を確認しましょう。
「短期留学なら学生ビザは必要ない?」「電子渡航認証だけで留学できる国はどこ?」と迷う方は多いのではないでしょうか。留学先によっては、数週間から数カ月程度の短期留学であれば、学生ビザを申請せずに渡航できる場合があります。ただし[…]
アメリカ留学前に準備しておきたいこと
I-94は入国後に確認する記録ですが、トラブルを防ぐためには、出発前の準備も大切です。
- パスポートの有効期限を確認する
- F-1ビザの内容を確認する
- I-20の氏名、SEVIS ID、学校名、プログラム開始日を確認する
- SEVIS費用の支払い確認書を保存する
- 入国時に提示する書類を手荷物に入れる
- 入国後にI-94を確認することをメモしておく
入国審査では、パスポート、ビザ、I-20などを提示し、CBP担当官が最終的に入国可否を判断します。ビザが発給されていても、必ず入国できることを保証するものではありません。
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よくある質問
まとめ:I-94はアメリカ留学中のステータス確認に欠かせない記録
I-94は、アメリカに入国した記録であり、滞在が認められている期間やステータスを確認するための重要な記録です。
F-1学生ビザで入国した方は、入国後すぐにI-94を確認し、Class of Admissionが「F1」になっているか、Admit Until Dateが適切に表示されているかを確認しましょう。
内容に誤りがある場合やI-94が見つからない場合は、放置せず、学校のDSOやCBPに早めに確認することが大切です。アメリカ留学中のトラブルを避けるためにも、I-94はPDF保存・印刷をして大切に保管しておきましょう。
