
アメリカ留学中にパスポートを紛失してしまうと、「このままアメリカに滞在できるの?」「F-1ビザも失くしたらどうなるの?」「一時帰国したあと、またアメリカに戻れるの?」と不安になりますよね。
ただし、正しい順番で対応すれば、パスポートを紛失しただけで直ちに留学を続けられなくなるケースは多くありません。
このページでは、F-1ビザでアメリカに滞在中の日本人留学生が、パスポートやF-1ビザを紛失・盗難された場合の対応手順を、2026年7月時点の公式情報をもとに整理します。
- パスポートを紛失した直後にやるべきこと
- F-1ビザを失くしても、アメリカ国内に滞在を続けられるのか
- 新しいパスポートの申請先と必要書類の考え方
- 次にアメリカへ再入国する前に必要なF-1ビザ再申請の流れ
- 1 結論:米国内の滞在資格は「ビザ」ではなくI-94とI-20で確認する
- 2 パスポート紛失時の基本対応一覧
- 3 1. まず近くの警察に紛失・盗難の届出をする
- 4 2. 在アメリカ日本大使館・総領事館に連絡する
- 5 3. 学校のDSO・留学生オフィスへ報告する
- 6 4. 紛失したパスポートに有効なF-1ビザが貼られていた場合
- 7 5. アメリカ国内での滞在はどうなる?
- 8 6. I-94も確認しておく
- 9 7. 新しいパスポートが発行された後にやること
- 10 8. 次に日本へ一時帰国する前に必要なこと
- 11 9. 紛失前に必ずコピーしておきたい書類
- 12 10. よくある質問(Q&A)
- 13 まとめ:慌てず、警察・日本公館・学校・米国大使館の順に確認を
- 14 公式情報・参考リンク
結論:米国内の滞在資格は「ビザ」ではなくI-94とI-20で確認する
まず大切なのは、パスポートに貼られているF-1ビザと、アメリカ国内でのF-1ステータスは別のものだという点です。
- F-1ビザ:アメリカに入国するために必要な入国用の査証。通常、パスポートに貼付されています。
- F-1ステータス:アメリカ国内で留学生として滞在するための在留資格。I-94、I-20、SEVIS記録、フルタイム就学などで管理されます。
そのため、すでにアメリカに入国済みで、以下の条件を満たしている場合は、パスポートやF-1ビザを紛失しても、直ちにF-1ステータスが失われるわけではありません。
- I-94のClass of Admissionが「F-1」になっている
- I-94のAdmit Until Dateが「D/S(Duration of Status)」になっている、または許可された滞在期限内である
- 有効なI-20を持っている
- 学校にフルタイムで在籍し、F-1ステータスを維持している
ただし、アメリカを一度出国すると、紛失したF-1ビザでは再入国できません。次に日本へ一時帰国し、再びアメリカに戻る場合は、新しいパスポートに新しいF-1ビザを取得する必要があります。
パスポート紛失時の基本対応一覧
| 状況 | 米国内での滞在 | 再入国時の注意 | 最初に行うこと |
|---|---|---|---|
| パスポートのみ紛失 | I-94とI-20が有効で、F-1ステータスを維持していれば、通常は滞在継続が可能 | 出国には新しいパスポートが必要 | 警察へ届出、日本大使館・総領事館で新パスポート申請、学校へ報告 |
| 有効なF-1ビザ付きのパスポートを紛失 | 米国内では、I-94とI-20でF-1ステータスを確認 | 紛失したビザは再入国に使えないため、新しいF-1ビザの申請が必要 | 警察へ届出、パスポート再申請、ビザを発行した米国大使館・総領事館へ紛失報告 |
| 紙のI-94も紛失 | 電子I-94を確認。紙のI-94が発行されていた場合は再発行手続きが必要になることがある | I-94情報が確認できないと、再申請や各種手続きで支障が出る可能性あり | CBPのI-94サイトで確認し、必要に応じてUSCIS Form I-102を確認 |
1. まず近くの警察に紛失・盗難の届出をする
パスポートを紛失した、または盗難にあったことに気づいたら、まずは最寄りの警察署・警察局に届け出をします。
その際、可能であれば以下を持参してください。
- 紛失したパスポートのコピー
- 紛失したF-1ビザのコピー
- I-20のコピー
- I-94のコピー
- 学生証や運転免許証など、本人確認に使えるもの
届出後は、Police Report(ポリスレポート)またはCase Numberを取得しておきましょう。後で日本のパスポート申請、米国ビザの再申請、学校への報告などで提出を求められることがあります。
警察で使える英語表現
日本のパスポートと米国F-1ビザを紛失しました。ポリスレポートを作成したいです。
パスポートを盗まれました。パスポート再発行とビザ申請のためにポリスレポートが必要です。
2. 在アメリカ日本大使館・総領事館に連絡する
次に、滞在している地域を管轄する在アメリカ日本大使館・総領事館に連絡し、新しいパスポートの申請手続きを行います。
パスポートを紛失・盗難された場合は、通常、以下のいずれかの手続きになります。
- 新しいパスポートの申請:アメリカで留学を継続する場合に基本となる手続き
- 帰国のための渡航書:緊急で日本に帰国する必要があり、通常のパスポート発行を待てない場合
なお、帰国のための渡航書は、原則として日本へ帰国するための書類です。アメリカ留学を継続する場合や、第三国へ移動する予定がある場合は、必ず管轄の日本大使館・総領事館に確認してください。
パスポート紛失時に確認したい主な書類
管轄公館や状況によって必要書類は異なりますが、一般的には以下のような書類を確認します。
- 紛失一般旅券等届出書
- 一般旅券発給申請書
- 写真
- 戸籍謄本または戸籍電子証明書提供用識別符号
- Police ReportまたはCase Number
- 紛失したパスポートのコピー(ある場合)
- I-20、I-94、学生証など、アメリカでの滞在資格や本人確認ができる書類
3. 学校のDSO・留学生オフィスへ報告する
パスポートを紛失したら、在籍している学校の留学生オフィスまたはDSO(Designated School Official)にも必ず連絡しましょう。
学校へは、以下の内容を伝えます。
- パスポートを紛失・盗難されたこと
- 警察に届出済み、または届出予定であること
- 日本大使館・総領事館で新パスポートを申請すること
- 新パスポートが発行されたらコピーを提出すること
- 一時帰国や国外旅行の予定があるかどうか
特に、今後アメリカ国外へ出る予定がある場合は、I-20のTravel Signature、SEVIS記録、再入国に必要な書類をDSOに確認してください。
4. 紛失したパスポートに有効なF-1ビザが貼られていた場合
4-1. ビザを発行した米国大使館・総領事館に紛失報告をする
紛失したパスポートに有効なF-1ビザが貼られていた場合は、そのビザを発行した米国大使館・総領事館に、ビザの紛失・盗難を報告します。
日本でF-1ビザを取得した方は、在日米国大使館・総領事館の案内を確認してください。
在日米国大使館・領事館|有効な米国ビザが貼付された非米国パスポートを紛失または盗難された場合
報告時には、一般的に以下のような情報が必要になります。
- 氏名
- 生年月日
- 出生地
- アメリカでの住所
- 連絡先メールアドレス
- 紛失か盗難か
- ビザの種類(F-1)
- パスポート番号やビザのコピー(ある場合)
4-2. 報告後、紛失したF-1ビザは再入国に使えない
米国ビザの紛失・盗難を報告すると、紛失したビザは将来のアメリカ渡航には使えなくなります。
その後、紛失したパスポートが見つかったとしても、そのF-1ビザを使ってアメリカへ再入国することはできません。
これは不正利用を防ぐための重要な手続きです。
5. アメリカ国内での滞在はどうなる?
F-1ビザは、アメリカに入国するための書類です。そのため、アメリカ国内にいる間は、F-1ビザの有効期限や紛失そのものよりも、F-1ステータスを維持しているかが重要になります。
F-1ステータスを維持するためには、主に以下を確認します。
- I-94のClass of AdmissionがF-1になっている
- I-94のAdmit Until DateがD/S、または許可された滞在期限内である
- 有効なI-20を持っている
- 学校にフルタイムで在籍している
- 学校の規則やF-1の就労ルールに違反していない
つまり、米国内にいる間は、F-1ビザをすぐに取り直すことはできませんし、通常はその必要もありません。ただし、アメリカを出国したあとに再入国する場合は、新しいF-1ビザが必要です。
6. I-94も確認しておく
パスポート紛失後は、CBPの公式I-94サイトで、最新のI-94を確認・保存しておきましょう。
現在は多くの場合、I-94は電子化されています。印刷したI-94や紙のI-94を紛失した場合でも、CBPのサイトで最新のI-94を取得できることがあります。
ただし、紙のI-94が発行されていて、それを紛失・盗難された場合などは、USCISのForm I-102による再発行手続きが必要になる場合があります。
7. 新しいパスポートが発行された後にやること
新しいパスポートを受け取ったら、次の対応を行いましょう。
7-1. 記載内容を確認する
氏名、ローマ字スペル、生年月日、本籍、性別、有効期限などに誤りがないか確認します。
7-2. 学校へコピーを提出する
新しいパスポートの顔写真ページを、学校の留学生オフィスまたはDSOに提出します。提出方法は、学校の指示に従ってください。
7-3. 書類一式をPDFで保存する
今後の手続きのため、以下の書類はPDFまたは画像で保存しておくことをおすすめします。
- 新しいパスポートの顔写真ページ
- 紛失したパスポートのコピー(ある場合)
- 紛失したF-1ビザのコピー(ある場合)
- 最新のI-94
- 最新のI-20
- Police ReportまたはCase Number
- 米国大使館・総領事館へビザ紛失を報告した控え
8. 次に日本へ一時帰国する前に必要なこと
8-1. 再びアメリカへ戻るには、新しいF-1ビザが必要
紛失したF-1ビザは、アメリカ国内で再発行することはできません。
そのため、次に日本へ一時帰国し、再びアメリカに戻る場合は、新しいパスポートに新しいF-1ビザを取得する必要があります。
ビザ面接の予約状況や審査期間は時期によって変わるため、一時帰国の予定がある場合は、できるだけ早めにDSOと相談し、在日米国大使館・総領事館の最新案内を確認してください。
8-2. F-1ビザ再申請で準備する書類の例
F-1ビザを再申請する場合、初回申請と同様の書類に加えて、紛失に関する説明やPolice Reportが必要になることがあります。
一般的には、以下のような書類を確認します。
- 新しいパスポート
- 有効なI-20(必要に応じて新しいTravel Signature付き)
- DS-160確認ページ
- ビザ申請料金の支払い確認
- SEVIS I-901 Feeの支払い確認
- 学校の在学証明書、成績証明書
- 残高証明などの財政証明
- Police Reportまたは紛失・盗難の説明書
- 紛失したパスポートやF-1ビザのコピー(ある場合)
なお、同じSEVIS IDでF-1ステータスを継続している場合、通常はSEVIS I-901 Feeを再度支払う必要はありません。ただし、SEVIS IDが変わった場合や、ステータスに変更がある場合は扱いが変わる可能性があるため、必ず学校のDSOに確認してください。
無料相談から始められます
アメリカ留学の手続きで不安な方へ
学生ビザ、I-20、学校手続き、留学中のトラブル対応など、アメリカ留学では事前に確認しておきたいことが多くあります。ご希望や状況をうかがいながら、必要な準備を一緒に整理します。
9. 紛失前に必ずコピーしておきたい書類
パスポート紛失時に一番困るのは、パスポート番号、ビザ情報、I-94、I-20の情報がすぐに確認できないことです。
留学開始後は、以下をスマホ、クラウド、メールなど複数の場所に保存しておきましょう。
- パスポートの顔写真ページ
- F-1ビザのページ
- I-94
- I-20の全ページ
- 学校の入学許可書
- 海外保険証書
- 緊急連絡先
ただし、個人情報を含む書類ですので、保存先のセキュリティには注意してください。
アメリカで語学学校、大学、大学院、高校、専門学校などに通う場合、留学期間や受講内容によっては学生ビザの申請が必要です。アメリカの学生ビザは、主に学術系プログラム向けのF-1ビザと、職業訓練・専門分野向けのM-1ビザに分かれま[…]
アメリカに留学する方が、入国後に必ず確認しておきたい書類のひとつがI-94(Arrival/Departure Record)です。I-94は、アメリカに入国した外国人の入国記録・出国記録・滞在が認められている期間を示す重要[…]
10. よくある質問(Q&A)
まとめ:慌てず、警察・日本公館・学校・米国大使館の順に確認を
アメリカ留学中にパスポートを紛失すると大きなトラブルに感じますが、次の順番で落ち着いて対応しましょう。
- 最寄りの警察に紛失・盗難を届け出て、Police ReportまたはCase Numberを取得する
- 管轄の在アメリカ日本大使館・総領事館に連絡し、新パスポートを申請する
- 学校の留学生オフィスまたはDSOに報告する
- 有効なF-1ビザが貼られていた場合は、ビザを発行した米国大使館・総領事館に紛失報告をする
- 新パスポート発行後、学校へコピーを提出し、I-94・I-20と一緒に保管する
- 次に日本へ一時帰国してアメリカへ戻る前に、新しいF-1ビザを申請する
ポイントは、米国内の滞在資格はF-1ビザそのものではなく、I-94、I-20、SEVIS記録、フルタイム就学などで確認するという点です。
一方で、アメリカを出国した後に再入国するには、有効なF-1ビザが必要です。紛失したF-1ビザは再入国には使えないため、一時帰国や国外旅行の予定がある方は、早めに学校のDSOと相談し、公式情報を確認しながら準備を進めてください。
