【2026年】第3回 安全な海外留学のために

留学準備ガイド|第3回

海外留学では、語学や学校生活だけでなく、安全対策も大切な準備のひとつです。渡航前に正しい情報を確認し、緊急時の連絡先や行動を決めておくことで、現地での不安を大きく減らせます。犯罪だけでなく、病気やけが、自然災害、スマートフォンやパスポートの紛失なども想定して準備しておきましょう。

留学準備ガイド(全6回)

出発前に必ず読んでおきたい6つのステップ

  1. 第1回:留学準備チェックリスト
  2. 第2回:留学成功の秘訣
  3. 第3回:安全な海外留学のために(危機管理)◀ このページ
  4. 第4回:空港・ホームステイでの英会話
  5. 第5回:ホームステイのルール確認の英語表現
  6. 第6回:到着後にすること
  • 出発前に確認したい海外安全情報
  • たびレジ・在留届の違いと登録の目安
  • 緊急連絡先・海外留学保険・スマホ・貴重品の準備
  • 盗難・病気・災害・トラブルを避けるための基本行動

海外留学の安全対策は「出発前」から始まります

海外での安全対策は、危険な場所に行かないことだけではありません。渡航先の治安・医療・感染症・自然災害・交通事情を事前に確認し、トラブルが起きたときの連絡先をすぐに出せる状態にしておくことが大切です。

「自分は大丈夫」と考えるのではなく、トラブルが起きる可能性を想定し、起きたときにどう行動するかを出発前に確認しておきましょう。

1. 外務省海外安全ホームページを確認する

外務省海外安全ホームページでは、国・地域別の危険情報、スポット情報、感染症危険情報、安全対策基礎データなどを確認できます。留学先が決まったら、出発前だけでなく、渡航中も定期的に確認しましょう。

  • 滞在都市・地域の治安情報
  • デモ・テロ・犯罪・自然災害などの注意情報
  • 現地の医療事情、衛生・感染症情報
  • 在外公館(日本大使館・総領事館)の連絡先

外務省の危険情報は、レベル1「十分注意してください」からレベル4「退避してください。渡航は止めてください」までの4段階で表示されます。

ただし、危険レベルだけで「安全」「危険」と判断するのではなく、国・地域ごとの「安全対策基礎データ」なども確認しましょう。同じ国でも都市や地域によって犯罪傾向や注意点が異なります。特に、スリ・置き引き・強盗・詐欺など、日常生活で遭遇する可能性のある犯罪について確認しておくことが大切です。

2. たびレジ・在留届を確認する

外務省では、海外渡航者向けに「たびレジ」と「在留届」のサービスを提供しています。

3か月未満の滞在は「たびレジ」、外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する場合は「在留届」が基本です。

サービス対象主な目的
たびレジ3か月未満の渡航・短期留学など渡航先の安全情報や緊急時の連絡を受け取る
在留届外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する日本人旅券法に基づく届出。災害・事件・事故時の安否確認や支援、安全情報の受信など

在留届は、旅券法により、外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する日本人に提出が義務付けられています。

日本から海外へ転居する場合は、「オンライン在留届(ORRネット)」を利用すると、現地到着の90日前から提出できます。提出後に住所や電話番号などの登録内容が変わった場合は、オンラインで変更届を提出しましょう。

また、留学中に別の国へ短期旅行する場合は、その旅行先を「たびレジ」に登録しておくことをおすすめします。

3. 緊急連絡先リストを作る

スマホが使えない、充電が切れた、盗難にあった、インターネットにつながらないといった状況も想定して、緊急連絡先はスマートフォンだけでなく、紙でも持っておきましょう。

  • 学校の緊急連絡先
  • 滞在先の住所・電話番号
  • 海外留学保険会社の緊急連絡先
  • 日本の家族・留学エージェントの連絡先
  • 在外公館(日本大使館・総領事館)の連絡先
  • 現地の警察・救急・消防の緊急番号
  • クレジットカード会社・銀行の紛失盗難時の連絡先
  • 携帯電話会社の紛失盗難時の連絡先

電話番号だけでなく、海外留学保険の証券番号や学校の学生番号など、問い合わせの際に必要になる情報も控えておくと安心です。

また、日本の「110」「119」に相当する警察・救急・消防の緊急番号は国によって異なります。留学先の緊急番号を出発前に確認し、スマートフォンにも登録しておきましょう。

日本大使館・総領事館に相談できること

日本大使館・総領事館は、海外で困ったときの相談先のひとつです。事件・事故などに遭った場合の相談、現地の医療機関・弁護士・通訳などの情報提供、家族への連絡支援などを受けられる場合があります。

ただし、医療費などの立替えや支払い保証、犯罪の捜査、私的なトラブルの仲裁などをしてもらえるわけではありません。緊急時にどのような支援を受けられるか、出発前に確認しておくと安心です。

4. パスポート・貴重品の管理

パスポート、学生証、保険証券、クレジットカードなどは、紛失すると手続きに時間がかかります。コピーやデータを安全な場所に保管し、紛失・盗難に備えましょう。

パスポートの携帯義務は国によって異なります。原本の常時携帯が必要な国もあれば、コピーの携帯でよい場合もありますので、渡航先のルールを確認し、適切に管理してください。

  • パスポートの写真ページやビザ・eVisaなどの情報をコピーしておく
  • コピーやデータを、本人だけがアクセスできるクラウドにも保存する
  • カード会社の紛失・盗難時の連絡方法を確認する
  • 複数のクレジットカードをすべて同じ財布に入れない
  • 多額の現金を一か所にまとめて持ち歩かない
  • バッグは体から離さず、椅子の背もたれなどに掛けたままにしない
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5. 医療・感染症・予防接種を確認する

海外では、日本と比べて医療費が非常に高額になる国があります。また、留学先の学校では、留学期間中の保険への加入が必須となっています。

学校指定の保険に加入する場合と、一定の補償条件を満たす海外留学保険を自分で手配できる場合がありますので、学校の加入条件を確認してください。出発前に、保険証券、緊急連絡先、現地で医療機関を受診するときの利用方法も確認しておきましょう。

クレジットカード付帯の海外旅行保険は、補償期間や補償額、利用条件に制限があるため、学校が求める保険条件を満たさない場合があります。

厚生労働省検疫所FORTHでは、海外の感染症情報や予防接種に関する情報を確認できます。必要な予防接種は、渡航先、滞在期間、渡航目的、年齢、健康状態、過去の接種歴などによって異なります。出発直前では間に合わないワクチンもあるため、必要な場合は早めに医師やトラベルクリニックに相談しましょう。

持病がある方や定期的に薬を服用している方は、薬をできるだけ元の容器・包装のまま持参し、必要に応じて英文の診断書などを準備してください。国や薬の種類によって、持ち込み数量の制限や事前許可が必要になる場合がありますので、渡航先のルールも確認しましょう。

6. 現地で避けたい行動

日本では問題なく行っていることでも、海外では犯罪やトラブルにつながることがあります。現地では「日本にいるときより少し慎重に行動する」ことを意識しましょう。

  • 夜間に1人で人通りの少ない場所を歩く
  • 知らない人について行く、知らない人の車に乗る
  • 荷物を置いたまま席を離れる
  • 高価なスマホ・財布・多額の現金を人前で不用意に出す
  • デモ・集会・騒ぎが起きている場所に近づく
  • バーやパーティーなどで飲み物から目を離す、知らない人から開封済みの飲み物を受け取る
  • 知らない人から荷物や小包を預かり、運ぶ
  • ATM利用時に周囲を確認せず、暗証番号を見られる状態で操作する
  • 正規のタクシーや配車アプリ以外の車を安易に利用する
  • パスポート、航空券、クレジットカードなど個人情報がわかる写真をSNSに掲載する

タクシーや配車アプリを利用する場合は、乗車前に車両番号や運転手の情報が予約内容と一致しているか確認しましょう。

また、日本では問題にならない行為でも、渡航先では違法となる場合があります。飲酒、喫煙・電子タバコ、薬物、写真撮影、交通ルールなどの規制は国や地域によって異なります。現地の法律や学校のルールを守り、「他の人もやっているから大丈夫」と判断しないようにしましょう。

7. トラブル別の初動

トラブルが起きたときは、まず自分の安全を確保し、その後、状況に応じた窓口へ連絡します。

トラブルまずすること次にすること
スマホ紛失・盗難位置情報を確認し、端末を紛失モード・ロック状態にする。携帯電話会社へ連絡して回線を停止する学校・滞在先・家族へ連絡。必要に応じて警察へ届出をし、Apple ID・Googleアカウント、銀行、SNSなど重要なアカウントのパスワードを変更する
パスポート紛失・盗難現地警察へ届出をし、最寄りの日本大使館・総領事館へ連絡する新しいパスポートまたは帰国のための渡航書など、必要な手続きを確認する
病気・けが命に関わる場合は現地の救急へ連絡。緊急でなければ保険会社のサポート窓口へ連絡する受診できる医療機関、通訳、日本語サポート、支払い方法などを確認する
自然災害・事件現地当局や学校・滞在先からの情報を確認し、安全な場所へ移動する安全を確保したうえで、家族などへ安否を連絡する。在外公館からの安全情報も確認する
クレジットカード紛失・盗難カード会社のアプリ・Webサイトまたは電話で利用を停止する再発行の方法を確認し、不審な利用がないか利用履歴を確認する

パスポートを紛失・盗難した場合は、現地警察への届出と在外公館での手続きが必要です。紛失・盗難として届け出て失効したパスポートは、その後見つかっても使用できませんので注意してください。

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よくある質問

たびレジと在留届は両方必要ですか?
3か月未満の滞在は「たびレジ」、外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する場合は「在留届」が基本です。在留届を提出すると、現地の日本大使館・総領事館から安全情報や緊急情報を受け取ることができます。長期留学中に別の国へ短期旅行する場合は、その旅行先を「たびレジ」に登録しましょう。
在留届はいつ提出すればいいですか?
外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する場合は、在留届の対象です。日本から海外へ転居する場合は、「オンライン在留届(ORRネット)」を利用すると現地到着の90日前から提出できます。提出後に住所や電話番号などが変わった場合は、変更届を提出してください。
海外で緊急事態が起きたら、最初に誰に連絡すればいいですか?
命や身体に危険がある場合は、まず現地の警察・救急などの緊急機関へ連絡してください。安全を確保した後、状況に応じて学校、滞在先、海外留学保険会社、家族、必要に応じて日本大使館・総領事館へ連絡します。緊急連絡先はスマートフォンだけでなく、紙でも持っておきましょう。
パスポートを海外で紛失したらどうすればいいですか?
まず現地警察に紛失・盗難の届出を行い、最寄りの日本大使館・総領事館へ連絡してください。新しいパスポートまたは「帰国のための渡航書」などの手続きが必要になります。紛失・盗難として届け出て失効したパスポートは、その後見つかっても使用できません。
海外留学保険への加入は必要ですか?
はい。留学先の学校では、留学期間中の保険への加入が必須となっています。学校指定の保険に加入する場合と、一定の補償条件を満たす海外留学保険を自分で手配できる場合があります。学校が求める保険の条件を確認し、留学期間全体がカバーされるようにしてください。

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